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拒食症の克服事例

拒食症の克服事例

拒食症ではよくある繰り返しのパターン

拒食症でなかなか治らず長年苦労してしまうということはよくあることです。特に多いのは、入退院を繰り返し、入院した時は体重が戻るのだが暫くするとまた体重が減少していってしまいまた入院しなくてはいけないほどになってしまうというケースです。
そのようになってしまうのは、体重を戻すという治療しか行っていない場合がほとんどです。拒食症を治していくには、拒食症という病気の本質を理解して根本的な原因となっている問題の解決を図っていくということがとても大切です。
次に紹介する事例も、長年なかなか拒食症から抜け出せずに苦労してしまったケースで、カウンセリングで根本的な問題にアプローチしていくことによって克服していった事例です。

プロフィール

【K子さん 年齢20歳  大学休学中】

K子さんは、やめられない食事の制限や偏り、運動強迫、気分の浮き沈み、対人関係の問題などにいつも苦しめられて学校へ行けない状況へと追い込まれていってしまいました。
身長は166㎝で体重は38㎏、発症は中学生の頃で、体重は高校で多少回復しましたが大学に入学してから再び低体重へと陥ってしまいした。

摂食障害発症のプロセス

K子さんの摂食障害の発症は中学3年生の時で拒食症でした。当時は56㎏あった体重は35㎏まで減少してしまいました。
当時は、学校での人間関係であまりうまくいっておらず、さらには家庭での孤立感や孤独感を抱えてしまっていました。
両親はとても仲がよくて、週末にはいつもテニスに出かけてしまい取り残されてしまうような気持ちを抱えていました。そのような中で、両親に否定されることを極度に恐れていました。
特に母親に否定されるようなことがあると食べないということで反抗するということを小学生の頃からしていました。
また、2歳年下の妹の存在が様々な面で影響を与えていました。妹は両親に気軽に我儘を言えるタイプでK子さんとまるで反対のタイプでした。妹さんは父と仲がよくて、二人が何を考えているのかよくわからずいつも気になってしまっていました。
拒食症になってからもこの父と妹のことがとても気になってしまいよく気持ちが動揺してしまっていました。
また、母親に小さい時からいつも放っておかれたという思いがつよくて、否定的なことを母に言われると見捨てられるのではないかといった不安に陥ってしまいパニックになってしまうことがしばしばありました。
そのような背景の中で、人が信じられなくなっていってしまい、人間不信へと陥ってしまったのでした。両親のことが信頼できない、学校の同級生も信じられない、人が信用できない、他人に心が開けないといった状況で、それは、小学生の頃から大学まで同じような状況が続くことになってしまいました。
ただ、そのような状況でも高校生の頃は勉強や部活に打ち込むことによってなんとか乗り越えることができていましたが、大学に入学してからは、勉強や人間関係がうまくいかず、またダイエットや食事が気になるようになってしまって、どんどん低体重へと逆戻りしていってしまいました。

カウンセリングでの対応

カウンセリングで一番重視したのは、人が信用できない、心が開けないというところです。
そこで特に重視したのはお母さんとの関係性のところです。
そして、次に注目していったのが妹さんとの関係の中で起きてきていることです。

人間不信の多くは、まず最初に家庭の中で起きてきてしまっています。
そこで、まずは、お母さんとの関係性を見直していくというところから取り組んでいくことにしました。
大切なのは、お母さんと気持ちのレベルでのコミュニケーションをしていくということです。

K子さんには、お母さんに否定されたり、お母さんに対してイライラすることがあると、何も言わずに黙って部屋に閉じこもってご飯を食べないことによって訴えるという行動パターンがあったので、何かあったときに、ちゃんと言葉で気持ちを伝えるということをやっていってもらいました。

また、お母さんに何も言えなくなってしまうのは、過去の嫌なイメージが大きく影響していたので、イメージ療法でそのブレーキになってしまっているイメージを変えていくということをやっていきました。
そして、妹さんのことが気になるということに関してもイメージ療法で過去に抱えてしまった思いを変えていくと同時に、現実の目の前で気になっている事をちゃんと妹さんに伝えていくということをやっていってもらいました。

そのようにして、まず家族との関係性の見直しをしながら、実際のコミュニケーションを変えていくという実践していくことによって、少しずつ心を開くことができるようになっていきました。

そして、家族との信頼関係を取り戻すことできていった上で、友達関係や外での対人関係を見直していくということをやっていきました。

そのような取り組みによって、人への信用を取り戻して、自分自身への信頼というものも取り戻していくということができるようになりました。

このようになっていくと自然と食へのこだわりも薄くなっていき、当初抱えていた食事の制限や偏り、運動強迫、気分の浮き沈みというものがみるみるうちに克服されていきました。

K子さんご本人の談話

私が症状がひどくてご飯が食べられないときは、いつもは母との関係がこじれていたように思います。

言いたいこと、思ったことを口にするとすぐけんかのようになったり、母の機嫌が悪くなるのが嫌で黙り込んで心のなかでもやもやして、「私は怒っているんだ、こうなんだ」と口にすれば済むことを、食べないことで表して反抗してました。

中学3年の時の病気になり始めた時は、嫌なことがあるとすぐに食べずに反抗してました。
今思うと食べないことで自分の言いたいことを言えないストレスを表してたんだと思います。
そしていろいろありましたが、少しずつ話をしてみようと、言い合いになっても仕方ない、言いたいことは言おう、と頑張ってみました。

するとすこしずつですが自分の思っていることを母に言ってみることで、今までのもやもやがスッキリし始めて、そして、母との関係が良くなるにつれて食べられるようになってきたと思います。
他には、友達が(いないと思っていた)久々にメールをくれたり、周りの人が私の事を必要としてくれていることに気が付いたり、自分のしたいことがやれたり、と、心がすっきりしているときには食べられていた気がします。

今でも心がもやもやしたり、嫌なことがあって(母との関係がこじれたり、、、)(最近はほぼなくなりうまくいってる気がします。)食べたくない、、、なんて思うことがあると食べられなくなりそうですが、いまのところ大丈夫です!!

そして、最近は食べることを許す=自分を許す=自分を信じて、自分を大切にするこれを心がけると食べられる気がします。反抗の為に食べないことで、自分を痛めつけなくてもいい、自分の生きたいように自分の心に素直にイキイキと生きようと心掛けるようにしていると食べられている気がします。

疲れすぎないようにして、常に心の声が聞こえるよう心がけていれば大丈夫な気がします。

それでは摂食障害は具体的にどのように克服していけばいいのでしょうか?

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