対人関係療法は、その名前の通り対人関係について扱うのですが、
それだけでは少しわかり難いかもしれません。
摂食障害を抱えている人の多くが、
実は対人関係に関わる、やり場のない気持ち、
つまり、
胸のモヤモヤやイライラした気持ちを抱えています。
どうやってそのようなモヤモヤやイライラが生まれるかというと、
例えば、
自分の本音が言えない、
周りの目がいつも気になる、
結局周りに合わせるしかない、
自分は理解してもらえない、
言っても無駄、
ノーが言えない、
誰もわかってくれない、
どうせ私はダメ、
とい言ったような対人関係上での気持ちを抱えています。
そのような気持ちを持ってコミュニケーションしていると
自分の納得のいく関係にならず、いつもモヤモヤやイライラを抱える
結果となってしまいます。
そして、そのモヤモヤやイライラを解消したり紛らすために過食したり
嘔吐したり、あるいは食を制限する、
更には、食べられなくなる、
といった摂食障害の症状に繋がることになってしまいます。
対人関係療法は、その気持ちの部分にフォーカスしながら、
いかに考えて、どのようなコミュニケーションをしていけば
その摂食障害のエネルギーになっている、モヤモヤやイライラ
を減らしていくことができるか?
といった取り組みをやっていきます。
対人関係で生じてくるそのようなモヤモヤやイライラに
焦点をあてているのが対人関係療法です。
よく摂食障害は、お母さんの育て方がよくなかった・・・・
ということで、母親が自分を責めてしまう
場合がありますが、そうではありません。
大事なのは、過去どうだったといことよりも、
今がどうなのかということです。
そして、誰が?
と、すぐなりがちですが、
、 問題は関係性です。
対人関係といった場合に、誰が悪いのか?
という悪者探しになりがちですが、
誰も悪くはないのです。
関係性の問題です。
悪いもの探しはしないでください。
そして, 対人関係療法でフォーカスしていく対人関係ですが、
それは、重要な他者と言われている、
いちばん身近で影響力のつよい人との対人関係です。
多くの場合は、母親や父親、結婚していれば夫や妻となります。